求人票は、優秀な人材を採用するための重要な書類です。書き方や内容によって応募が集まるかどうかは異なるため、作成方法をしっかりと理解しておきましょう。
この記事では、応募が集まる魅力的な求人票の作り方を詳しく解説します。求人票に記載すべき項目や作成上の注意点などもわかりやすく解説しますので、採用活動を始める前にぜひチェックしてください。
目次
求人票とは労働条件を明示するための書類
求人票とは、求職者に対して、仕事内容や勤務地などを伝えるための書類です。新しい人材を募集するとき、企業は求人票を作成してハローワークに提出したり、大学や専門学校に掲載したりします。紙ベースで作成することもありますが、データとして作成し、インターネット上の求人サイトに掲載するケースも増えてきました。
求人票を作成するときは、勤務時間や給与などの基本的な情報を記載するのはもちろん、企業や仕事の魅力が伝わるよう配慮することが重要です。求職者に対して魅力ややりがいをアピールしなければ、効率よく応募を集めることはできません。多くの企業の中から自社を選んでもらえるよう、魅力的な求人票を作成しましょう。
求人票の作成手順を5つのステップでわかりやすく解説
求人票を作成するときは、求める人材像を明確にする、全体のレイアウトを決める、記載する内容をピックアップする、といったステップで進めましょう。以下、それぞれの手順について詳しく解説します。
求める人材像を具体化する
求人票の作成を始める前に、求める人材像を明確にしておきましょう。ターゲットによって、記載すべき内容やアピールすべきポイントが異なるからです。
ターゲットが求める内容を重点的に記載することで、採用活動を効率的に進められます。未経験でもやる気のある人を採用したい、ある程度の経験やスキルをもっている人を採用したいなど、求める人材像を具体化しておきましょう。
全体のレイアウトを決める
細かい内容を記載する前に、求人票全体のレイアウトを決めておきましょう。ある程度のフォーマットが決められている場合もありますが、自由にデザインできる場合は、文字の大きさやフォント、写真の位置やサイズなどを工夫することが大切です。求人サイトなどのテンプレートを参考にしてもよいでしょう。
多くの企業が求人票を出しているため、レイアウトやデザインによって目立たせなければ、求職者に見てもらえない可能性もあります。全体的な印象が悪いと、細かな部分まで読んでもらえない、実際の応募につながらない、といったケースもあるため注意しましょう。
記載する内容をピックアップする
全体のレイアウトが決まったら、求人票に記載する内容をピックアップする必要があります。仕事内容や勤務地などの基本情報はもちろん、必要な資格や経験、日々の業務の流れを記載しておくことも重要です。
求職者が仕事をイメージしやすいよう、職場の雰囲気やどのような人が働いているかなどを具体的に記載するのもよいでしょう。職場の写真やイメージ画像を掲載して、視覚的に情報を伝えるのもおすすめです。
必要な項目をわかりやすく記載する
伝えたい内容をピックアップしたら、実際に求人票に記載していきましょう。先ほど決めたレイアウトに合わせて、わかりやすく記載することが大切です。
具体的に記載することは重要ですが、ダラダラとした長文を書いてもなかなか読んでもらえません。求職者が読みやすいよう、表や箇条書きなども使いながら簡潔に記載することを心がけましょう。
記載内容に間違いがないかチェックする
求人票を掲載する前に、記載内容に間違いがないかチェックしておくことも必要です。とくに勤務時間や給与などに間違いがあると、求職者に誤解を与えてしまうだけでなく、採用後にトラブルが発生する可能性もあるため注意しなければなりません。
わかりにくい部分や理解しにくい表現がある場合は、修正する必要があります。第三者の目で客観的に見てもらうと、間違いや改善点を発見しやすいでしょう。
求人票に記載すべき9つの項目
職業安定法によると、求人票には最低限、次のような項目を記載しなければなりません。[注1]
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間・休憩時間・休日・時間外労働
- 賃金
- 加入保険
- 募集者の氏名・名称
さらに、仕事の魅力や職場の雰囲気を伝えるため、必要な項目を追記するとよいでしょう。以下、それぞれの項目について詳しく解説します。
参照:厚生労働省 | 労働者を募集する企業の皆様へ ~求人の申込みや労働者の募集に当たっての留意事項~ <平成29年職業安定法の改正等>
具体的な業務内容
採用後に従事する業務内容は、求人票における重要な項目のひとつです。業務内容を見て、希望する職場かどうかを判断する求職者も多いため、明確に記載しておきましょう。
業務内容の項目には、営業・接客・一般事務など、職種をわかりやすく記載することが大切です。より具体的に書いても問題ありませんが、大まかな職種だけを書いておき、一日の業務の流れなどを後で詳しく記載する方法もあります。
契約期間や更新のタイミング
契約期間も求職者が注目するポイントです。正社員を募集する場合は、「期間の定めなし」などと記載します。契約社員やアルバイトの場合は、契約期間や更新のタイミングを明記しましょう。
試用期間の有無や日数
試用期間とは、スキルや人柄、仕事への適性を判断するための期間のことです。試用期間がある場合は、「3ヵ月」などと期間を明記しておきましょう。
採用後の就業場所
採用後の就業場所についても記載しなければなりません。本社の所在地とは異なる場合も多いため注意しましょう。
転勤の有無についても記載する必要があります。採用後の面談や求職者の希望により就業場所が変わる場合は、候補となる場所を複数記載しておきましょう。
就業時間・休憩時間・休日・時間外労働
就業時間や休日は、求人票における重要な項目です。勤務時間や休日となる曜日を見て、応募するかどうかを決める求職者も多いでしょう。「就業時間:9〜17時」「休憩時間:12〜13時」などと具体的に記載しておくことが大切です。
休日となる曜日や祝日の扱い、年末年始の休みなども記載しておきましょう。時間外労働が発生する場合は、「月平均10時間」といった目安を記載します。裁量労働制を採用している場合は、「裁量労働制により、1日あたり8時間働いたものとみなす」といった記載も必要です。
残業代を除く賃金
賃金の項目には、残業代や手当などを除く月給や日給を記載します。「月給20万円」などと明記しましょう。試用期間中の賃金が異なる場合は、その旨と金額を記載します。
残業代が固定されている場合は、「時間外労働の有無に関わらず、10時間分の時間外手当として1万円を支給」「10時間を超える場合は割増賃金で追加支給」などと記載しましょう。
採用後の加入保険
健康保険・雇用保険・労災保険・厚生年金など、採用後に加入できる保険の種類を記載します。求職者が気にするポイントのひとつであるため、忘れずに記載しておきましょう。
募集者の氏名・名称
人材の募集を行う企業名や氏名を記載します。会社の場合は「株式会社◯◯」などと正式名称を明記しましょう。派遣労働者として募集する場合は、「雇用形態:派遣労働者」と明記しなければなりません。
仕事のやりがいや職場の雰囲気
ここまで、職業安定法によって記載が求められている項目を紹介しましたが、効率よく応募を集めるためには、仕事のやりがいや職場の雰囲気を記載しておくことも大切です。
どのようなスキルを習得できるのか、どのようなスタッフが働いているのかがわかると、求職者は応募しやすくなります。一日の業務の流れや研修内容について記載して、仕事を具体的にイメージしてもらうのもよいでしょう。
魅力的な求人票を作成するための3つのコツ
魅力的な求人票を作成するためには、視覚的な情報を掲載する、仕事内容や人材を募集する理由を具体的に書く、といった点を意識することが大切です。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
視覚的な情報を掲載する
採用活動を効率よく進めるためには、写真などを掲載して、視覚的な情報を提供することが重要です。職場や店舗、働く人の様子などがわかる写真を掲載しておけば、求職者が雰囲気を想像しやすくなります。
文字だけでは、どのような職場なのかをイメージできず、求職者が応募を見合わせるケースもあります。写真を掲載できる求人票の場合は、積極的に利用しましょう。
仕事内容をわかりやすく具体的に書く
仕事内容は、できる限りわかりやすく具体的に書きましょう。仕事内容を曖昧に記載しておくと、どのような作業を担当するのかわからず、求職者が不安を感じることもあります。とくに未経験者の場合は、業務内容を想像するのが難しいため、できるだけ詳しく書いておきましょう。
たとえば、「接客」とざっくり表現するのではなく、「お客様のご要望を伺い、最適なサービスを提案する仕事です」などと具体化しておくと、誰でも仕事をイメージできます。
人材を募集する理由を明記する
仕事内容や労働条件を淡々と記載するだけではなく、人材を求めている理由を書くことで、求職者の共感を得られ、応募が集まるケースもあります。「店舗の拡大に伴い、新しい仲間を募集します」「新しいサービス開発のためにあなたのスキルが必要です」など、前向きな理由を記載しておきましょう。
求人票を作成するときの注意点
求人票を作成するときは、虚偽の内容、年齢制限や性別による制限を記載しないようにしましょう。ポイントを簡単に解説します。
虚偽の内容を記載するのはNG
当然ですが、求人票に虚偽の内容を記載することは避けましょう。求職者に興味をもってもらうために、実際よりも高い給与額を記載したり、嘘の業務内容を書いたりすると、トラブルが発生する可能性もあります。悪質な場合は、6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金を科せられるケースもあるため注意が必要です。
年齢制限を設けるのはNG
職場や仕事内容に合った年齢の人材を採用したいと考えるかもしれませんが、求人票に年齢制限を記載してはなりません。単に求人票に「年齢不問」と書けばよいのではなく、年齢を理由に応募を断ったり、合否の判断基準にしたりする行為も禁止されています。[注2]
労働基準法による年齢制限がある場合や、芸術・芸能の分野において表現の真実性が求められる場合などを除き、基本的には年齢制限を記載しないように注意しましょう。
参照:参照:厚生労働省|その募集・採用 年齢にこだわっていませんか? ―年齢にかかわりなく、均等な機会を―
性別による制限を記載するのはNG
求人票に、性別による制限を記載するのも避けましょう。応募や採用の段階で男女のいずれかを排除することや、採用条件を男女で異なるものにすることなどは、男女雇用機会均等法により禁止されています。[注3]
求人票に記載することはもちろん、女性スタッフが辞めたから新たに女性を採用する、営業職には男性を採用する、といった採用計画を立てることも男女雇用機会均等法に違反するため注意しましょう。
参照:参照:厚生労働省|企業において募集・採用に携わるすべての方へ 男女均等な採用選考ルール
【まとめ】 魅力的な求人票を作成して優秀な人材を確保しよう!
今回は、求人票に記載すべき内容や、魅力的な求人票を作成するポイントなどを紹介しました。求人票には、具体的な仕事内容や賃金、就業場所や残業時間などを具体的に記載しましょう。求職者に興味をもってもらえるよう、職場の雰囲気がわかる写真を掲載したり、人材を募集する理由を書いたりすることも大切です。
本記事で紹介した内容を参考にしながら、「グレフ(greff)」で魅力的な求人票を出してみましょう。専任の担当者が業種やシーズンに合った求人票の作成をサポートしますので、初めて採用活動を行う方でも心配はありません。成果報酬型で登録料などは発生しませんので、お気軽にご相談ください。